Windows 10のデフォルトブラウザといえば「Microsoft Edge」だが、古くから使われてきたInternet Explorer(IE)の特に企業ニーズは根強く、世代交代は順調に進んでいるとは言い難い。PCで利用するデスクトップ向けブラウザでは、GoogleのChromeが他を引き離すトップシェアであり、EdgeはIEより利用率が低いという直近の調査結果もある。
そんな中、米MicrosoftがWindows 10からEdge以外のブラウザを排除しようとしているのではないか、という動きがあり、話題となっている。舞台となったのは、Microsoftのユーザー参加型開発プログラム「Windows Insider Program」で配信されているプレビュー版の「Windows 10 Insider Preview」だ。
Microsoftは9月11日(米国、以下同)、Windows Insider Program参加者(Fast Ringユーザー)向けにWindows 10 Insider Previewの新バージョンとなる「Build 17758」の配信を開始したところ、とある新機能の追加がユーザーの反発を招いた。
Build 17758を導入したユーザーから、Edge以外のブラウザをインストールしようとしたら、「Edgeを既に持っている」と伝えるウィンドウが表示されるようになったという報告が相次いだのだ。Chrome、Firefox、Opera、Vivaldiなどをインストールしようとすると、この警告が出ることが確認されている。
警告の内容は「あなたは既にWindows 10のためのより安全でより高速なEdgeを持っています」というもので、そのテキストの下には「Edgeを開く」と「とにかくインストール」の2つのボタンがある。
この件についてMicrosoftから公式な発表はないが、米CNETによると「Windows Insider Program参加者を対象に導入したテスト機能」であることを認めたという。
Build 17758は「Redstone 5(RS5)」の開発コード名で知られるWindows 10次期大型アップデートのプレビュー版だ。開発は最終段階に入っており、このまま細かなバージョンアップがもう1〜2週間ほど続き、10月中には「Windows 10 October 2018 Update」の名称で一般公開される見込みだ。
つまり、この機能は完成ギリギリの滑り込みで導入されたようで、場合によってはそのままリリースされていた可能性も少なからずあったといえる。
MicrosoftはIE 4の時代にWindowsとWebブラウザの統合を進めて実質的に競合ブラウザの割り込む余地を排除したことで欧州委員会(EC)の裁定を受け、Windows 7の時代にIEを付属しない専用版を同地域に投入した経緯がある。今回の新機能が明らかになると、競合各社らが反発するコメントを出した。
ユーザーと競合他社の反発を受けてか、Microsoftが3日後の9月14日に配信を開始した「Build 17760」には同機能が確認できず、こっそり削除したとみられる。MicrosoftはBuild 17758/17760のリリースノートにおいて、いずれもこの機能の搭載と削除について触れていない。
恐らくOctober 2018 Updateの一般公開時にこの機能が追加されることはなくなったが、開発中のプレビュー版とはいえ、過去の経緯を無視するかのような機能の搭載には疑問を覚える。反発は容易に予想でき、このまま一般公開されていたら、Windows 10における開発の統率や品質管理に疑問符が付く事態に発展していたかもしれない。
今回の新機能を短期間でストップできたことは、ユーザーがWindows 10の開発に参加してフィードバックを行いつつ完成度を高めていくWindows Insider Programの大きな功績といえる。
今後もMicrosoftは過去の経緯に関係なく、自社の戦略を「テスト機能」としてWindows 10 Insider Previewに搭載する可能性があり、それが本当にユーザーの利便性を高めるアップデートなのか、より注意してレビューしていく必要がありそうだ。
そんな中、米MicrosoftがWindows 10からEdge以外のブラウザを排除しようとしているのではないか、という動きがあり、話題となっている。舞台となったのは、Microsoftのユーザー参加型開発プログラム「Windows Insider Program」で配信されているプレビュー版の「Windows 10 Insider Preview」だ。
Microsoftは9月11日(米国、以下同)、Windows Insider Program参加者(Fast Ringユーザー)向けにWindows 10 Insider Previewの新バージョンとなる「Build 17758」の配信を開始したところ、とある新機能の追加がユーザーの反発を招いた。
Build 17758を導入したユーザーから、Edge以外のブラウザをインストールしようとしたら、「Edgeを既に持っている」と伝えるウィンドウが表示されるようになったという報告が相次いだのだ。Chrome、Firefox、Opera、Vivaldiなどをインストールしようとすると、この警告が出ることが確認されている。
警告の内容は「あなたは既にWindows 10のためのより安全でより高速なEdgeを持っています」というもので、そのテキストの下には「Edgeを開く」と「とにかくインストール」の2つのボタンがある。
この件についてMicrosoftから公式な発表はないが、米CNETによると「Windows Insider Program参加者を対象に導入したテスト機能」であることを認めたという。
Build 17758は「Redstone 5(RS5)」の開発コード名で知られるWindows 10次期大型アップデートのプレビュー版だ。開発は最終段階に入っており、このまま細かなバージョンアップがもう1〜2週間ほど続き、10月中には「Windows 10 October 2018 Update」の名称で一般公開される見込みだ。
つまり、この機能は完成ギリギリの滑り込みで導入されたようで、場合によってはそのままリリースされていた可能性も少なからずあったといえる。
MicrosoftはIE 4の時代にWindowsとWebブラウザの統合を進めて実質的に競合ブラウザの割り込む余地を排除したことで欧州委員会(EC)の裁定を受け、Windows 7の時代にIEを付属しない専用版を同地域に投入した経緯がある。今回の新機能が明らかになると、競合各社らが反発するコメントを出した。
ユーザーと競合他社の反発を受けてか、Microsoftが3日後の9月14日に配信を開始した「Build 17760」には同機能が確認できず、こっそり削除したとみられる。MicrosoftはBuild 17758/17760のリリースノートにおいて、いずれもこの機能の搭載と削除について触れていない。
恐らくOctober 2018 Updateの一般公開時にこの機能が追加されることはなくなったが、開発中のプレビュー版とはいえ、過去の経緯を無視するかのような機能の搭載には疑問を覚える。反発は容易に予想でき、このまま一般公開されていたら、Windows 10における開発の統率や品質管理に疑問符が付く事態に発展していたかもしれない。
今回の新機能を短期間でストップできたことは、ユーザーがWindows 10の開発に参加してフィードバックを行いつつ完成度を高めていくWindows Insider Programの大きな功績といえる。
今後もMicrosoftは過去の経緯に関係なく、自社の戦略を「テスト機能」としてWindows 10 Insider Previewに搭載する可能性があり、それが本当にユーザーの利便性を高めるアップデートなのか、より注意してレビューしていく必要がありそうだ。
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