日本HPから、ディスプレイが360度開閉するコンバーチブルスタイルの13.3型2in1モバイル「Spectre x360 13」シリーズの2018年モデルが登場した。
アルミ削り出しの薄型軽量筐体はデザインが一新されて印象が大きく変わるとともに、最新パーツの搭載により性能も強化されている。
今回は、Corei7-8565U搭載のスタンダードモデルを紹介する。すでに発売中で、価格は159,800円(税別)から。
大胆に直線を多用した印象的な筐体デザイン
Spectre x360 13の2018年モデルは、スペックの強化だけにとどまらず、筐体デザインも刷新されたことで、フルモデルチェンジと言ってもいいほどの変化を遂げている。
従来モデルでは、フラットで質実剛健なデザインながら、側面付近や後部側面にカーブを取り入れることで、柔らかい印象も合わせ持つ点が特徴となっていた。それに対し2018年モデルでは、側面のカーブがほぼ完全に取り払われ、側面や背面に大胆に直線を多用した、非常にソリッドな印象のデザインへと一新された。
筐体素材は従来同様のアルミニウム合金だが、「エメラルドカット」と呼ばれる、まるで宝石のように直線的に削り出された筐体は、曲線を採用した筐体とは異なる鮮やかな輝きが生み出され、かなりゴージャスな印象を受ける。
なかでもとくに目をひくのが、本体後部の左右の角が斜めに切り取られている点や、側面の形状に合わせてデザインされたディスプレイヒンジで、細部までのデザインのこだわりも感じられる。
しかも、本体後部の左右角は、斜めに切り取られるだけでなく、その部分に電源ボタンやUSB Type-Cポートを配置するなど、ほかにはない特徴を実現している点も、挑戦的なポイントと言える。
また、ディスプレイを360度開いてタブレット形状とした場合には、後部側面は一転して斜めにスパッと切り取ったような印象へとデザインが変化する。一般的な2in1 PCと比べて、タブレットモードでのデザイン的な一体感が大きく高められており、この点もかなり好印象だ。大胆に直線を採用していることもあって、手に持った印象はかなりゴツゴツとした印象もあるが、一般的なノートPCとは一線を画す近未来的な雰囲気のデザインは、かなり所有欲をかき立ててくれると感じる。
本体サイズは、308×217×14.3~16.0mm(幅×奥行き×高さ)。ディスプレイの左右側面が狭額縁仕様となっていることもあって、比較的コンパクトなのはもちろん、薄さも申し分ない。
重量は公称で約1.32kg。実測では1,289.5gと1.3kgを下回っていたが、13.3型液晶搭載モバイルノートPCで、1kgを切る軽さを実現する製品が多数登場している現在では、やや重いという印象もあるが、重量的に不利となる2in1 PCとして考えると、十分納得できる重量と言える。
フルHD表示対応の13.3型タッチ液晶を搭載
ディスプレイは、1,920×1,080ドット表示に対応する13.3型液晶を採用する。パネルの種類はIPSで、ディスプレイ表面は光沢仕様となっている。
発色性能に関するスペックは公表されていないが、発色は申し分なく鮮やかで、表示品質は申し分ない。デジカメ写真のレタッチ作業や動画の編集作業なども、本来の色味を損なうことなく行なえそうだ。ただし、光沢液晶のため外光の映り込みはやや激しい印象だ。
なお、水平方向のコントラストを落として視野角を狭め、横からディスプレイの表示内容を見えにくくするプライバシーモード「HP Sure View」を搭載するモデルもある。ビジネスシーンでの利用を想定するなら、そちらのモデルをお勧めしたい。また、最上位となるパフォーマンスモデルでは、4K(3,840×2,160ドット)表示対応液晶パネルを搭載するため、より高解像度を求めるならそちらもおすすめだ。
Spectre x360 13は2in1 PCということで、ディスプレイは360度開閉し、クラムシェルスタイル、テントスタイル、スタンドスタイル、タブレットスタイルの4種類で利用可能。もちろんタッチ操作にも対応しており、タッチ操作も可能。
加えて、Microsoft Penプロトコル対応の静電容量方式スタイラスペンにも対応。本体同梱となる「Spectre アクティブペン」は、1,024段階の筆圧検知に対応。傾き検知などはサポートせず、どちらかというと標準的なスタイラスペンといった印象だが、書き味は十分に滑らかで、ペン入力も大きな不満なく利用できると感じた。
キーボードは従来モデル同様で、Enterキー右のキーが気になる
キーボードは、従来モデル同様のアイソレーションタイプのものを搭載している。
主要キーのキーピッチは19mmフルピッチを確保しており、ストロークも薄型ながら実測で1.3mmほどと、まずまずの深さを確保。タッチはやや硬めでクリック感も強めで、しっかりタイピングできるキーボードという印象だ。
配列は、主要キーに関しては標準的で、タッチタイプも違和感なく行える。カーソルキーも1段下がってはいないものの独立した配置となっている点は好印象。また、キーボードバックライトも内蔵しているため、暗い場所でのタイピングも快適だ。
ただし、従来モデル同様に、Enterキーの右に一部キーが配置されている点は、個人的にかなり気になる。慣れれば問題ないという意見もあるとは思うが、キーボードの仕様に関しては個人の好みが大きく分かれる部分でもあるため、購入を考えているなら、展示機のある量販店などで実機を触って確認することをお勧めする。
ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッド「イメージパッド」を採用。面積はかなり大きく、横に広いこともあって、カーソル操作はかなり軽快だ。もちろんジェスチャー操作にも対応している。
ただ、搭載位置が本体中央となっているため、ホームポジションからやや右にずれており、右クリックしようとしても左クリックになってしまうことが何度かあった。デザイン重視でこの場所への搭載になったものと思われるが、できればホームポジションに対して中央となる場所に搭載してもらいたかったように思う。
生体認証機能は顔認証と指紋認証を同時搭載
搭載スペックは、従来モデルもかなり充実していたが、その点は新モデルにもしっかり受け継がれている。
搭載CPUは、開発コードネーム「Whiskey Lake-U」こと最新の第8世代Coreプロセッサ、Core i7-8565Uを採用。メモリはDDR4-2400を標準で16GBと申し分ない容量を搭載。内蔵ストレージもPCIe/NVMe準拠の高速SSDで、容量は512GBとこちらも納得の容量となっている。無線機能はギガビットアクセス対応のIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠無線LANとBluetooth 5.0を標準搭載。
外部ポートは、左側面にUSB 3.1 Gen2×1、右側面にmicroSDカードスロットと、Thunderbolt 3/USB 3.1 Gen 2準拠USB Type-C×2、オーディオジャックをそれそれ用意。先述のとおり、左側面奥の角に電源ボタン、右側面奥の角にUSB Type-Cポートを配置する点が、ほかの機種にはない大きな特徴となっている。
2ポートあるUSB Type-Cは、いずれのポートもUSB PDに対応しており、付属ACアダプタを接続した給電、内蔵バッテリの充電に対応。付属ACアダプタも、もちろんUSB PD対応のものとなる。また、こちらを利用することで、約30分で約10時間分の充電が行なえる、急速充電も可能となっている。
サイズは比較的コンパクトだが、付属電源ケーブルがややかさばるため、重量は電源ケーブル込みで実測307.5gと、やや重い印象。ただ、L字型のウォールコネクタを利用すれば、実測重量が244.5gまで軽量化できるため、軽さを優先させたいならこちらを利用したい。
生体認証機能は、ディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証機能を搭載するとともに、キーボード手前右パームレスト部には同じくWindows Hello対応の指紋認証センサーも搭載する。顔認証による高度なセキュリティを実現するとともに、カメラが利用できない場面では指紋認証センサーを利用するというように、生体認証機能を使い分けられることによって、セキュリティと利便性を同時に高められる点も嬉しい部分だ。
そのほか、右側面には内蔵カメラをオフにできる「プライバシースイッチ」も搭載している。プライバシースイッチを切り替えることで、内蔵カメラの回路が物理的に遮断され、利用できなくなる。必要な時だけカメラをオンにし、それ以外の場面ではカメラを利用できなくできるという点は、ビジネスシーンでの利用はもちろん、個人で利用する場合でもプライバシーを保護できるため、ユーザーにとって大きな利点となるだろう。
付属品としては、スタイラスペンの「Spectre アクティブペン」とACアダプタに加えて、専用スリーブケースも同梱となる。
トップレベルのパフォーマンスを発揮
では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。
今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 vv1.1.1739」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.6.6238」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の5種類。比較用として、LGの「gram 13Z980-NA77J」の結果も加えてある。
結果を見ると、いずれのテストでもなかなかの高スコアが得られている。gram 13Z980-NA77Jとの比較では、搭載CPUが異なることもあって、結果が上回っているのは当然ではあるが、かなり大きく上回っている部分もあり、高負荷時でもフルにCPU性能が引き出せていると考えられる。
高負荷時の冷却ファンの動作音は、しっかりと耳に届く大きさだが、ゲーミングPCのような爆音といったものではなく、高性能2in1モバイルPCとして特別うるさいという印象はなかった。また、低負荷時にはほとんど動作音が聞こえなくなるため、高負荷が長時間続くような作業を行なわない限り、図書館などの静かな場所でも気兼ねなく利用できるだろう。
続いてバッテリ駆動時間だ。Spectre x360 13 2018年モデルの公称の駆動時間は約22.5時間(MobileMark 2014での数字)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「(バッテリー)より良いバッテリー」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約15時間59分だった。
公称からはやや短くなっているものの、計測条件を考えると16時間弱という駆動時間はモバイルPCとして十分に満足できるものだ。これなら、長時間外出先でPCを利用しなければならない場合はもちろん、1泊の出張でもACアダプタ不要で乗りきれるはずで、毎日PCを持ち歩く必要のある人に取って大きな魅力となりそうだ。
申し分ないモバイル性能だけでなくデザイン性も求めたい人にお勧め
Spectre x360 13 2018年モデルは、従来モデルと比べて外観のデザインが大きく変わった点が大きく目をひく部分だが、それだけでなく機能面や性能面でもしっかりと進化を果たしており、魅力が大きく高まっている。そのうえで、実測約16時間の長時間バッテリ駆動も実現していることで、モバイルPCとしての魅力も非常に高いと言える。
くわえて、2in1仕様ということで、クラムシェルPCからタブレットPCまで、広い用途に対応できる点も魅力の1つ。対面プレゼン時にタブレットモードやテントモードなどで簡単に画面を相手に見せられるなど、デタッチャブル2in1同様の使い方をしつつ、クラムシェルPCとしての利便性もしっかり確保できる点は、ビジネスシーンでの強みとなる。
顔認証機能と指紋認証機能の同時搭載、カメラを物理的にオフにできるスイッチの搭載によって、優れたセキュリティ性能を要求される用途にも対応可能だ。
重量は約1.32kgと、イマドキのモバイルPCとしてはやや重いと感じるかもしれないが、長時間のバッテリ駆動を実現している点を考えると、こちらも十分満足できるだろう。
このようにSpectre x360 13 2018年モデルは、デザインだけでなく、仕様面でも非常に高い完成度を誇っており、ビジネスユースはもちろん、個人向けとしても申し分ない魅力を備えた製品と言える。そのため、優れたモバイル性能だけでなく、デザイン性にも優れる2in1モバイルPCを探している人にお勧めしたい。
アルミ削り出しの薄型軽量筐体はデザインが一新されて印象が大きく変わるとともに、最新パーツの搭載により性能も強化されている。
今回は、Corei7-8565U搭載のスタンダードモデルを紹介する。すでに発売中で、価格は159,800円(税別)から。
大胆に直線を多用した印象的な筐体デザイン
Spectre x360 13の2018年モデルは、スペックの強化だけにとどまらず、筐体デザインも刷新されたことで、フルモデルチェンジと言ってもいいほどの変化を遂げている。
従来モデルでは、フラットで質実剛健なデザインながら、側面付近や後部側面にカーブを取り入れることで、柔らかい印象も合わせ持つ点が特徴となっていた。それに対し2018年モデルでは、側面のカーブがほぼ完全に取り払われ、側面や背面に大胆に直線を多用した、非常にソリッドな印象のデザインへと一新された。
筐体素材は従来同様のアルミニウム合金だが、「エメラルドカット」と呼ばれる、まるで宝石のように直線的に削り出された筐体は、曲線を採用した筐体とは異なる鮮やかな輝きが生み出され、かなりゴージャスな印象を受ける。
なかでもとくに目をひくのが、本体後部の左右の角が斜めに切り取られている点や、側面の形状に合わせてデザインされたディスプレイヒンジで、細部までのデザインのこだわりも感じられる。
しかも、本体後部の左右角は、斜めに切り取られるだけでなく、その部分に電源ボタンやUSB Type-Cポートを配置するなど、ほかにはない特徴を実現している点も、挑戦的なポイントと言える。
また、ディスプレイを360度開いてタブレット形状とした場合には、後部側面は一転して斜めにスパッと切り取ったような印象へとデザインが変化する。一般的な2in1 PCと比べて、タブレットモードでのデザイン的な一体感が大きく高められており、この点もかなり好印象だ。大胆に直線を採用していることもあって、手に持った印象はかなりゴツゴツとした印象もあるが、一般的なノートPCとは一線を画す近未来的な雰囲気のデザインは、かなり所有欲をかき立ててくれると感じる。
本体サイズは、308×217×14.3~16.0mm(幅×奥行き×高さ)。ディスプレイの左右側面が狭額縁仕様となっていることもあって、比較的コンパクトなのはもちろん、薄さも申し分ない。
重量は公称で約1.32kg。実測では1,289.5gと1.3kgを下回っていたが、13.3型液晶搭載モバイルノートPCで、1kgを切る軽さを実現する製品が多数登場している現在では、やや重いという印象もあるが、重量的に不利となる2in1 PCとして考えると、十分納得できる重量と言える。
フルHD表示対応の13.3型タッチ液晶を搭載
ディスプレイは、1,920×1,080ドット表示に対応する13.3型液晶を採用する。パネルの種類はIPSで、ディスプレイ表面は光沢仕様となっている。
発色性能に関するスペックは公表されていないが、発色は申し分なく鮮やかで、表示品質は申し分ない。デジカメ写真のレタッチ作業や動画の編集作業なども、本来の色味を損なうことなく行なえそうだ。ただし、光沢液晶のため外光の映り込みはやや激しい印象だ。
なお、水平方向のコントラストを落として視野角を狭め、横からディスプレイの表示内容を見えにくくするプライバシーモード「HP Sure View」を搭載するモデルもある。ビジネスシーンでの利用を想定するなら、そちらのモデルをお勧めしたい。また、最上位となるパフォーマンスモデルでは、4K(3,840×2,160ドット)表示対応液晶パネルを搭載するため、より高解像度を求めるならそちらもおすすめだ。
Spectre x360 13は2in1 PCということで、ディスプレイは360度開閉し、クラムシェルスタイル、テントスタイル、スタンドスタイル、タブレットスタイルの4種類で利用可能。もちろんタッチ操作にも対応しており、タッチ操作も可能。
加えて、Microsoft Penプロトコル対応の静電容量方式スタイラスペンにも対応。本体同梱となる「Spectre アクティブペン」は、1,024段階の筆圧検知に対応。傾き検知などはサポートせず、どちらかというと標準的なスタイラスペンといった印象だが、書き味は十分に滑らかで、ペン入力も大きな不満なく利用できると感じた。
キーボードは従来モデル同様で、Enterキー右のキーが気になる
キーボードは、従来モデル同様のアイソレーションタイプのものを搭載している。
主要キーのキーピッチは19mmフルピッチを確保しており、ストロークも薄型ながら実測で1.3mmほどと、まずまずの深さを確保。タッチはやや硬めでクリック感も強めで、しっかりタイピングできるキーボードという印象だ。
配列は、主要キーに関しては標準的で、タッチタイプも違和感なく行える。カーソルキーも1段下がってはいないものの独立した配置となっている点は好印象。また、キーボードバックライトも内蔵しているため、暗い場所でのタイピングも快適だ。
ただし、従来モデル同様に、Enterキーの右に一部キーが配置されている点は、個人的にかなり気になる。慣れれば問題ないという意見もあるとは思うが、キーボードの仕様に関しては個人の好みが大きく分かれる部分でもあるため、購入を考えているなら、展示機のある量販店などで実機を触って確認することをお勧めする。
ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッド「イメージパッド」を採用。面積はかなり大きく、横に広いこともあって、カーソル操作はかなり軽快だ。もちろんジェスチャー操作にも対応している。
ただ、搭載位置が本体中央となっているため、ホームポジションからやや右にずれており、右クリックしようとしても左クリックになってしまうことが何度かあった。デザイン重視でこの場所への搭載になったものと思われるが、できればホームポジションに対して中央となる場所に搭載してもらいたかったように思う。
生体認証機能は顔認証と指紋認証を同時搭載
搭載スペックは、従来モデルもかなり充実していたが、その点は新モデルにもしっかり受け継がれている。
搭載CPUは、開発コードネーム「Whiskey Lake-U」こと最新の第8世代Coreプロセッサ、Core i7-8565Uを採用。メモリはDDR4-2400を標準で16GBと申し分ない容量を搭載。内蔵ストレージもPCIe/NVMe準拠の高速SSDで、容量は512GBとこちらも納得の容量となっている。無線機能はギガビットアクセス対応のIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠無線LANとBluetooth 5.0を標準搭載。
外部ポートは、左側面にUSB 3.1 Gen2×1、右側面にmicroSDカードスロットと、Thunderbolt 3/USB 3.1 Gen 2準拠USB Type-C×2、オーディオジャックをそれそれ用意。先述のとおり、左側面奥の角に電源ボタン、右側面奥の角にUSB Type-Cポートを配置する点が、ほかの機種にはない大きな特徴となっている。
2ポートあるUSB Type-Cは、いずれのポートもUSB PDに対応しており、付属ACアダプタを接続した給電、内蔵バッテリの充電に対応。付属ACアダプタも、もちろんUSB PD対応のものとなる。また、こちらを利用することで、約30分で約10時間分の充電が行なえる、急速充電も可能となっている。
サイズは比較的コンパクトだが、付属電源ケーブルがややかさばるため、重量は電源ケーブル込みで実測307.5gと、やや重い印象。ただ、L字型のウォールコネクタを利用すれば、実測重量が244.5gまで軽量化できるため、軽さを優先させたいならこちらを利用したい。
生体認証機能は、ディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証機能を搭載するとともに、キーボード手前右パームレスト部には同じくWindows Hello対応の指紋認証センサーも搭載する。顔認証による高度なセキュリティを実現するとともに、カメラが利用できない場面では指紋認証センサーを利用するというように、生体認証機能を使い分けられることによって、セキュリティと利便性を同時に高められる点も嬉しい部分だ。
そのほか、右側面には内蔵カメラをオフにできる「プライバシースイッチ」も搭載している。プライバシースイッチを切り替えることで、内蔵カメラの回路が物理的に遮断され、利用できなくなる。必要な時だけカメラをオンにし、それ以外の場面ではカメラを利用できなくできるという点は、ビジネスシーンでの利用はもちろん、個人で利用する場合でもプライバシーを保護できるため、ユーザーにとって大きな利点となるだろう。
付属品としては、スタイラスペンの「Spectre アクティブペン」とACアダプタに加えて、専用スリーブケースも同梱となる。
トップレベルのパフォーマンスを発揮
では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。
今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 vv1.1.1739」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.6.6238」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の5種類。比較用として、LGの「gram 13Z980-NA77J」の結果も加えてある。
デル | HP Spectre x360 13(2018) スタンダードモデル | LG gram 13Z980-NA77J |
---|---|---|
CPU | Core i7-8565U(1.8/4.6GHz) | Core i7-8550U(1.8/4GHz) |
ビデオチップ | Intel UHD Graphics 620 | |
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 16GB | |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe) | 512GB SSD(SATA) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
ベンチマーク結果 | ||
---|---|---|
PCMark 10 | v1.1.1739 | v1.1.1722 |
PCMark 10 Score | 4,267 | 3,568 |
Essentials | 9,263 | 7,552 |
App Start-up Score | 13,980 | 8,546 |
Video Conferencing Score | 7,182 | 6,932 |
Web Browsing Score | 7,918 | 7,271 |
Productivity | 7,368 | 5,867 |
Spreadsheets Score | 8,993 | 7,208 |
Writing Score | 6,037 | 4,777 |
Digital Content Creation | 3,090 | 2,783 |
Photo Editing Score | 3,894 | 3,418 |
Rendering and Visualization Score | 1,901 | 1,726 |
Video Editting Score | 3,989 | 3,655 |
PCMark 8 | v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,652 | 3,327 |
Creative accelarated 3.0 | 3,625 | 3,458 |
Work accelarated 2.0 | 5,136 | 4,762 |
Storage | 5,041 | 4,943 |
CINEBENCH R15.0 | ||
OpenGL (fps) | 60.38 | 53.84 |
CPU | 634 | 560 |
CPU (Single Core) | 190 | 166 |
3DMark Professional Edition | v2.6.6238 | v2.5.5029 |
Cloud Gate | 9,783 | 8,013 |
Graphics Score | 11,456 | 9,222 |
Physics Score | 6,475 | 5,493 |
Night Raid | 5400 | - |
Graphics Score | 5,531 | - |
CPU Score | 4,764 | - |
Sky Diver | 4867 | 4,266 |
Graphics Score | 4,527 | 4,098 |
Physics Score | 8,016 | 5,935 |
Combined score | 4,746 | 3,833 |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク | ||
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) | 4,881 | 4,270 |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) | 2,713 | 2,548 |
高負荷時の冷却ファンの動作音は、しっかりと耳に届く大きさだが、ゲーミングPCのような爆音といったものではなく、高性能2in1モバイルPCとして特別うるさいという印象はなかった。また、低負荷時にはほとんど動作音が聞こえなくなるため、高負荷が長時間続くような作業を行なわない限り、図書館などの静かな場所でも気兼ねなく利用できるだろう。
続いてバッテリ駆動時間だ。Spectre x360 13 2018年モデルの公称の駆動時間は約22.5時間(MobileMark 2014での数字)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「(バッテリー)より良いバッテリー」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約15時間59分だった。
公称からはやや短くなっているものの、計測条件を考えると16時間弱という駆動時間はモバイルPCとして十分に満足できるものだ。これなら、長時間外出先でPCを利用しなければならない場合はもちろん、1泊の出張でもACアダプタ不要で乗りきれるはずで、毎日PCを持ち歩く必要のある人に取って大きな魅力となりそうだ。
申し分ないモバイル性能だけでなくデザイン性も求めたい人にお勧め
Spectre x360 13 2018年モデルは、従来モデルと比べて外観のデザインが大きく変わった点が大きく目をひく部分だが、それだけでなく機能面や性能面でもしっかりと進化を果たしており、魅力が大きく高まっている。そのうえで、実測約16時間の長時間バッテリ駆動も実現していることで、モバイルPCとしての魅力も非常に高いと言える。
くわえて、2in1仕様ということで、クラムシェルPCからタブレットPCまで、広い用途に対応できる点も魅力の1つ。対面プレゼン時にタブレットモードやテントモードなどで簡単に画面を相手に見せられるなど、デタッチャブル2in1同様の使い方をしつつ、クラムシェルPCとしての利便性もしっかり確保できる点は、ビジネスシーンでの強みとなる。
顔認証機能と指紋認証機能の同時搭載、カメラを物理的にオフにできるスイッチの搭載によって、優れたセキュリティ性能を要求される用途にも対応可能だ。
重量は約1.32kgと、イマドキのモバイルPCとしてはやや重いと感じるかもしれないが、長時間のバッテリ駆動を実現している点を考えると、こちらも十分満足できるだろう。
このようにSpectre x360 13 2018年モデルは、デザインだけでなく、仕様面でも非常に高い完成度を誇っており、ビジネスユースはもちろん、個人向けとしても申し分ない魅力を備えた製品と言える。そのため、優れたモバイル性能だけでなく、デザイン性にも優れる2in1モバイルPCを探している人にお勧めしたい。
コメント
コメントを投稿