Apple Watchよりはるかに実用的!
いろんな健康上のメリットを謳うウェアラブルはたくさん市場にありますが、実際に医療器具と同レベルのものはまず見当たりません。「参考として数値を知る」として使えても、正確な診断や記録に使えるにはまだまだ...なのはApple Watchも同様です。
そんな中登場したのが、オムロンによる血圧を測れるスマートウォッチ、「HeartGuide」。なんとFDA(メリカ食品医薬品局)によって、既存の血圧測定器と同じレベルの正確さと承認されているんです。米Gizmodo・Victoria Songのレビューです。
心拍数を測れるスマートウォッチやトラッカーはたくさん世に出ていますが、ほとんどのユーザーは心拍数に関して、自分の基準値を知る以外の医療的な目的は持っていないでしょう。心電図や心房細動に関する機能を持つApple Watchのシリーズ4ですら、診断機器としては完全なものではなく、注意が必要です。
しかし、オムロンのHeartGuideスマートウォッチは血圧を手首から測定できる最初のウェアラブルとなっています。もちろんFDAの認可も受けています。
病院での測定方法と同じプロセスで計測できる
HeartGuideで使われているテクノロジーは極めて高度です。ストラップ部分にはカフがあり、そこが膨らむことで血圧をオシロメトリック法で測定します。基本的に、腕にカフを巻き付けてふくらませるあの方法と同じというわけです。デモとして使うことができましたが、HeartGuideの使い方は非常にシンプルかつ短時間で、個人的には病院で看護師にやられるよりも痛みがありませんでした。いつもの健康診断での結果と数値も同じようでした。
測定するにはボタンを押し、手を心臓よりも高い位置に留めるだけ。カフは自動で膨らみ、縮みます。終了すれば血圧の数値がスクリーンに表示されるという仕組みです。健康な範囲に数値がある場合は緑色の円が表示され、血圧が高すぎる場合は赤に変わります。
デモで少し困難さを感じた点といえばフィット感でしょうか。私の手首は少し細いので、デモ用のミディアムサイズの製品はしっかりと装着するのが難しかったです。オムロンによると、ミディアムが75%のユーザーにフィットするとのことですが、スモールとラージサイズも追ってリリースされるようです。
オムロンのビジネスの主力は昔から血圧測定デバイスでしたが、スマートウォッチという形で常に身につけるようにデザインするのはいくつかの障害があったようです。まず最初に、ストラップ自身が膨らむ必要があり、内側のポンプが空気を下向きに直接押し付ける必要があるという点です。これが達成されなければ正確な測定はできません。またオシロメトリック法を手首に装着できるほどのサイズに縮小する過程で、オムロンは80もの特許を申請したとのこと。彼らが開発したオリジナルのポンプやバルブ、チップといった部品は米粒よりも小さいものが含まれている、とCEOのRanndy Kelloggは米Gizmodoに語りました。
これらすべてを考慮すると、HeartGuideのバッテリー寿命は驚くほど長いと言えるでしょう。オムロンは少なく見積もって30から50回のカフ膨張が一度の充電で可能だと述べました。これは利用者にとっては一週間に1〜2回の充電を意味するだろう、とのことです。これには半透過型ディスプレイが一役買っています。色を表示することができ、直射日光でも数値を読むことができるものの、タッチスクリーンのスマートウォッチが持つようなOLEDやAMOLEDスクリーンほど明るくはありません。
血圧以外には、HeartGuideは歩数、距離、睡眠、燃焼カロリーをトラッキングできます。また電話、メッセージ、Eメールの通知も扱えます。また利用者の同意無しのデータは現実的な応用が難しいため、アプリが付属してその点をカバーしています。アプリがユーザーの血圧を睡眠、運動、そしてコーヒーをどれほど飲むかといった生活習慣を考慮して分析してくれるとのこと。
医療機器と同等と認められたスマートウォッチ
もっとも感心してしまうポイントはFDAの510k認可を受けていることです。これは、すでに市場に出ている血圧測定デバイスと同じレベルの正確さを保証することになります。スマートウォッチとしては驚異の成果です。前述のように、Apple WatchがFDAの「de novo分類(既存の測定器と同程度とは言えない)」を30日で取得したのとは大きく違います。HeartGuideは2年間のテストやケーススタディを受けての結果です。これはApple Watch Series4と比べても大きなポイントとなるでしょう。
Series4は心房細動をすでに診断された人が使うことは意図されていません。心房細動を抱えているかもしれないユーザーに可能性を示唆することが目的です。しかし、HeartGuideはスマートウォッチでありながら、すでに高血圧であることを知っているユーザーに正確な測定値を提供できるデバイスです。「この時計を買う人はおそらく、もう医者に診てもらって高血圧だと診断された人でしょう」とKellogg氏は語ります。つまり実際の患者であり、おじいちゃんやおばあちゃんに実用的に医療機器として使えるスマートウォッチなわけです。
500ドルという値段は安くはありません。しかし実用性という点ではApple Watchよりもはるかに考え抜かれた健康デバイスのように思えます。血圧は心房細動に負けないほどの、恐ろしい影響を持っています。アメリカ心臓協会によると、アメリカの1億300万人の成人が高血圧を抱えているとのこと。これは成人人口の半分にあたります。そして血圧は一日を通じて上下するもの。それを考えると薬局や病院で一度測っただけでは全体像は見えません。高血圧の患者に簡単に、そして正確にモニタリングができる方法を提供し、そして生活習慣がどのように数値に影響を与えているかを知らせてくれることで、実際に救われる命が出てくるでしょう。
どれほど正確で、どれだけバッテリーが持続するかは来年、実際にレビューして詳細を明らかにしたいと思います。しかし今のところ、オムロンの公式ウェブサイトでプレオーダーが可能となっています。1月8日にCESで公式にローンチ予定とのこと。
いろんな健康上のメリットを謳うウェアラブルはたくさん市場にありますが、実際に医療器具と同レベルのものはまず見当たりません。「参考として数値を知る」として使えても、正確な診断や記録に使えるにはまだまだ...なのはApple Watchも同様です。
そんな中登場したのが、オムロンによる血圧を測れるスマートウォッチ、「HeartGuide」。なんとFDA(メリカ食品医薬品局)によって、既存の血圧測定器と同じレベルの正確さと承認されているんです。米Gizmodo・Victoria Songのレビューです。
心拍数を測れるスマートウォッチやトラッカーはたくさん世に出ていますが、ほとんどのユーザーは心拍数に関して、自分の基準値を知る以外の医療的な目的は持っていないでしょう。心電図や心房細動に関する機能を持つApple Watchのシリーズ4ですら、診断機器としては完全なものではなく、注意が必要です。
しかし、オムロンのHeartGuideスマートウォッチは血圧を手首から測定できる最初のウェアラブルとなっています。もちろんFDAの認可も受けています。
病院での測定方法と同じプロセスで計測できる
HeartGuideで使われているテクノロジーは極めて高度です。ストラップ部分にはカフがあり、そこが膨らむことで血圧をオシロメトリック法で測定します。基本的に、腕にカフを巻き付けてふくらませるあの方法と同じというわけです。デモとして使うことができましたが、HeartGuideの使い方は非常にシンプルかつ短時間で、個人的には病院で看護師にやられるよりも痛みがありませんでした。いつもの健康診断での結果と数値も同じようでした。
測定するにはボタンを押し、手を心臓よりも高い位置に留めるだけ。カフは自動で膨らみ、縮みます。終了すれば血圧の数値がスクリーンに表示されるという仕組みです。健康な範囲に数値がある場合は緑色の円が表示され、血圧が高すぎる場合は赤に変わります。
デモで少し困難さを感じた点といえばフィット感でしょうか。私の手首は少し細いので、デモ用のミディアムサイズの製品はしっかりと装着するのが難しかったです。オムロンによると、ミディアムが75%のユーザーにフィットするとのことですが、スモールとラージサイズも追ってリリースされるようです。
オムロンのビジネスの主力は昔から血圧測定デバイスでしたが、スマートウォッチという形で常に身につけるようにデザインするのはいくつかの障害があったようです。まず最初に、ストラップ自身が膨らむ必要があり、内側のポンプが空気を下向きに直接押し付ける必要があるという点です。これが達成されなければ正確な測定はできません。またオシロメトリック法を手首に装着できるほどのサイズに縮小する過程で、オムロンは80もの特許を申請したとのこと。彼らが開発したオリジナルのポンプやバルブ、チップといった部品は米粒よりも小さいものが含まれている、とCEOのRanndy Kelloggは米Gizmodoに語りました。
これらすべてを考慮すると、HeartGuideのバッテリー寿命は驚くほど長いと言えるでしょう。オムロンは少なく見積もって30から50回のカフ膨張が一度の充電で可能だと述べました。これは利用者にとっては一週間に1〜2回の充電を意味するだろう、とのことです。これには半透過型ディスプレイが一役買っています。色を表示することができ、直射日光でも数値を読むことができるものの、タッチスクリーンのスマートウォッチが持つようなOLEDやAMOLEDスクリーンほど明るくはありません。
血圧以外には、HeartGuideは歩数、距離、睡眠、燃焼カロリーをトラッキングできます。また電話、メッセージ、Eメールの通知も扱えます。また利用者の同意無しのデータは現実的な応用が難しいため、アプリが付属してその点をカバーしています。アプリがユーザーの血圧を睡眠、運動、そしてコーヒーをどれほど飲むかといった生活習慣を考慮して分析してくれるとのこと。
医療機器と同等と認められたスマートウォッチ
もっとも感心してしまうポイントはFDAの510k認可を受けていることです。これは、すでに市場に出ている血圧測定デバイスと同じレベルの正確さを保証することになります。スマートウォッチとしては驚異の成果です。前述のように、Apple WatchがFDAの「de novo分類(既存の測定器と同程度とは言えない)」を30日で取得したのとは大きく違います。HeartGuideは2年間のテストやケーススタディを受けての結果です。これはApple Watch Series4と比べても大きなポイントとなるでしょう。
Series4は心房細動をすでに診断された人が使うことは意図されていません。心房細動を抱えているかもしれないユーザーに可能性を示唆することが目的です。しかし、HeartGuideはスマートウォッチでありながら、すでに高血圧であることを知っているユーザーに正確な測定値を提供できるデバイスです。「この時計を買う人はおそらく、もう医者に診てもらって高血圧だと診断された人でしょう」とKellogg氏は語ります。つまり実際の患者であり、おじいちゃんやおばあちゃんに実用的に医療機器として使えるスマートウォッチなわけです。
500ドルという値段は安くはありません。しかし実用性という点ではApple Watchよりもはるかに考え抜かれた健康デバイスのように思えます。血圧は心房細動に負けないほどの、恐ろしい影響を持っています。アメリカ心臓協会によると、アメリカの1億300万人の成人が高血圧を抱えているとのこと。これは成人人口の半分にあたります。そして血圧は一日を通じて上下するもの。それを考えると薬局や病院で一度測っただけでは全体像は見えません。高血圧の患者に簡単に、そして正確にモニタリングができる方法を提供し、そして生活習慣がどのように数値に影響を与えているかを知らせてくれることで、実際に救われる命が出てくるでしょう。
どれほど正確で、どれだけバッテリーが持続するかは来年、実際にレビューして詳細を明らかにしたいと思います。しかし今のところ、オムロンの公式ウェブサイトでプレオーダーが可能となっています。1月8日にCESで公式にローンチ予定とのこと。
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