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Windows 10の“あの機能”は今――廃止予定リストに掲載された機能はその後どうなった?

Windows 10では新しいバージョンが登場すると、削除される機能と廃止予定として非推奨になる機能のリストが公開されます。今回は、廃止予定リストに掲載された機能のその後を追跡してみました。
リストラ対象となったWindows 10の機能、その後を追跡!
Windows 10の新バージョンがリリースされる時期になると、新バージョンから削除される機能や、廃止予定として非推奨になる機能が話題になります。Microsoftはそのリストを「Features that are removed or deprecated in Windows 10 ○○ Update(Windows 10 ○○ Updateで削除または廃止予定の機能)」(バージョン1709以前)や、「Features removed or planned for replacement starting with Windows 10, version XXXX(Windows 10 バージョンXXXから削除または置き換えが計画されている機能)」(1803以降)として公開しています。
これらのドキュメントを情報源としたWebメディアのニュース記事を見たことがあるかもしれませんが、「何を意味しているのかよく分からなかった」ということはなかったでしょうか。機能の名前そのもので書かれているのは分かりますが、そうでない場合、何の機能を指すのか不明瞭なものもあります。Microsoft社内なら通じるのかもしれませんが、親切、丁寧なリストとは言いにくいです。
例えば、Windows 10 バージョン1809からは「Limpet.exe」が削除され、オープンソース化されるとなっていますが、そもそもPC向けのWindows 10にバージョン1803以前からこんなツールは存在しません。Windows 10 IoT Coreに含まれていたツール(C:\Windows\System32\Limpet.exe)であり、Azure IoT Hubに接続する際に利用するものです。オープンソースのLimpetは、おそらく「https://github.com/ms-iot/security」で提供されるのだと思います(この辺り、筆者は詳しくありません)。
削除されたはずの機能が、その後のバージョンにしばらく居座ることもあります。例えば、Windows 10 バージョン1703からは「Interactive Service Detection」(UI0Detect)サービスが削除されたことになっていますが、サービスとバイナリ(C:\Windows\System32\UI0Detect.exe)が実際に削除されたのはWindows 10 バージョン1803からでした。ちなみに、このサービスはWindows 8では既定で無効にされ、Windows 10になってからは完全に機能しなくなっていたものです。
本当に削除されてしまったものは仕方がないので、ドキュメントで示された代替機能を使うしかありません。例えば、「モバイルコンパニオン(Phone Companion)」アプリは削除されますが、代わりに「スマホ同期(Your Phone)」アプリが利用可能になります。
今回は、以前のバージョンで廃止予定(置き換え予定)としてリストアップされた幾つかの機能について、最新のWindows 10 バージョン1809時点での状況を追ってみましょう。
Windows 10 バージョン1709で廃止予定となった「IIS管理互換とダイジェスト認証」
Windows 10 バージョン1709では「インターネットインフォメーションサービス」(IIS 10.0とも呼ばれています)のサブ機能のうち、「IIS 6管理互換(IIS 6 Management Compatibility)」と「ダイジェスト認証(Digest Authentication)」が廃止予定とされました。これらのサブ機能が削除されると、既存のIISの管理用スクリプトやWebサイトの認証方法の変更が必要になるわけですが、Windows 10 バージョン1809のIISでもこれらの機能は健在です。
Windows 10 バージョン1709で廃止予定となった「ペイント」
Windows 10 バージョン1709では、「ペイント(Microsoft Paint、mspaint.exe)」が将来のバージョンで削除され、Microsoft Storeで提供されることになるとされていました。しかし、Windows 10 バージョン1809でも健在であり、「C:\Windows\System32\mspaint.exe」として標準でインストールされています。
Windows 10 バージョン1709で廃止予定となった「システムイメージバックアップ(SIB)」
Windows 10 バージョン1709では「System Image Backup(SIB)Solution」の機能が廃止予定にリストアップされました。一覧での名称がWindows 10の実際の機能と一致しないため、分かりにくいのですが、多くのユーザーが「バックアップと復元(Windows 7)」や「システムイメージの作成」機能、「wbadmin」コマンドによるバックアップと復元機能を指すと理解したはずです。
Windows Vistaで初めて搭載されたWindows標準の「バックアップと復元」機能とwbadminコマンドは、技術的には「Complete PC Backup/Restore」とも呼ばれています。Windows 8では「ファイル履歴」というZIPアーカイブ技術を利用したユーザーデータのバックアップ機能が新たに搭載されて推奨されるようになり、Windows 7以前の「バックアップと復元」機能は同じ機能のまま「Windows 7のファイルの回復」という名称に変更され、目立たない存在になりました。
そして、Windows 8.1の開発中、この機能は完全に削除されましたが、正式リリース時には「システムイメージバックアップ(システムイメージの作成)」という機能名で一部が復活しました(wbadminコマンドも利用可能)。これは、フルバックアップ機能をWindowsの標準機能として維持してほしいというユーザーのフィードバックが影響したのでしょう。Windows 10では引き続き目立たない存在ですが、「バックアップと復元(Windows 7)」という名称で、Windows 7と同等の機能に戻りました。
このフルバックアップ機能が、Windows 10 バージョン1709で再び廃止予定にリストアップされたわけですが、Windows 10 バージョン1809でも健在であり、筆者が確認した限り、32bit(x86)と64bit(x64)の両環境で機能します(画面4)。なお、Windows 10の「設定」アプリにも「バックアップ」という項目がありますが、こちらはWindows 8から登場したファイル履歴のことであり、今話題にしているフルバックアップ機能とは全く違うものです。
ただし、「Microsoft OneDrive」が有効になっていると、スケジュールまたは手動で開始したバックアップジョブがエラー「0x80070013」や「0x8078014B」で失敗することがあるようです。
その場合でも、「システムイメージの作成」やwbadminコマンドによるフルバックアップは、正常に機能しました。OneDriveが有効になっている場合のバックアップ失敗問題は、2018年11月時点で確認したもので、その後の累積更新で修正されたかどうかまでは確認していません。
また、なぜ「32bit(x86)と64bit(x64)の両環境で正常に機能する」と断ったかというと、実は、Windows 10 バージョン1803では32bit(x86)環境で正常に機能しなかったからです。32bit(x86)版のWindows 10 バージョン1803でシステムイメージの作成を実行すると、C:ドライブのバックアップを開始する直前に「RPCサーバーを利用できません。(0x800706BA)」と表示され、バックアップは失敗します。
これは、Windows 10 バージョン1803リリース直後からの問題(32bit版のみ)であり、筆者が確認した限り、2018年10月の品質更新プログラムでも修正されていません(その後の状況は未確認)。
バックアップが失敗するのは、Windows 10 バージョン1709で廃止予定にリストアップされたのだから仕方がないと思っているユーザーがいるかもしれませんが、Windows 10 バージョン1709(ただし、ビルド16299.214より前には正常に機能しない場合があったようです)やバージョン1803では正常に機能します。
つまり、廃止予定だからではなく、Windows 10 バージョン1803の不具合なのです。Windows 10 バージョン1809のOneDrive有効時のバックアップエラーを見ても、この機能が廃止予定であることがさまざまな機能不全につながっているようにも思えます。
Windows 10 バージョン1809のリリースでは、ユーザーファイルが消失する問題が発覚し、リリース後数日で公開が停止されました。こんなこともあるので、フルバックアップ機能のニーズは今後も根強く、簡単に削除するわけにはいかないでしょう。そして、Windows 10 バージョン1803の不具合は、バージョン1803がサポートされている間(Home/Proは2019年11月、Enterprise/Educationは2020年11月まで)に修正してもらいたいものです。
Windows 10 バージョン1803で開発終了、置き換え予定となった「SRP」
Windows XPおよびWindows Server 2003の新機能として登場した「ソフトウェアの制限のポリシー(Software Restriction Policy:SRP)」は、パスやハッシュ、証明書でプログラムの実行を許可または禁止する企業向けの機能です。
Windows 7 Enterprise(およびUltimate)では「AppLocker」という、より洗練された、新しいポリシー制御機能が利用可能になりましたが、SRPはレガシーな制御機能として引き続き利用可能でした。
何より、AppLockerはEnterpriseエディション限定であるのに対して、SRPはエディションに関係なく(ただし、Homeは非対応)利用できるため、OSコストを抑えたい多くの企業はSRPの方を長く利用してきたのではないでしょうか。
本連載第108回で説明したように、Windows 10 バージョン1607およびWindows Server 2016まではSRPが従来通りに機能しましたが、Windows 10 バージョン1703以降、特定の条件下では期待通りに機能しなくなりました。そして、Windows 10 バージョン1803でSRPは開発終了の対象としてリストアップされました。現在、SRPはWindows 10のバージョンや動作する/しないに関係なく、サポートされない機能です。
Windows 10でのSRPの代替機能としては、AppLockerや「Windows Defenderアプリケーション制御(Windows Defender Application Control:WDAC)」があります。しかし、Windows 10のバージョンやエディションによる機能差、名称変更などがあり、SRPの代わりに簡単に導入できるというものではありません。
例えば、AppLockerはEnterpriseおよびEducationエディションの限定機能とほとんどの人は思っているでしょうが、実はWindows 10の全エディションがこの機能を備えています。しかし、グループポリシーでAppLockerを制御できるのは、Windows 10 EnterpriseとEducationエディション、Windows Server 2016以降に限定されます。それ以外のエディションはWindows 10のモバイルデバイス管理(MDM)機能を用いて構成できます(例えば、Microsoft Intuneなどを使用して)。
WDACは、以前は「デバイスガード(Device Guard)」や「ハイパーバイザーで保護されているコード整合性ポリシー(Hypervisor Code Integration Policy:HVCI)」と呼ばれていたものです。ハイパーバイザーを使用しないコード整合性ポリシーは、エディションにかかわらず利用できますが、HVCIはWindows 10 EnterpriseとEducationエディション、Windows Server 2016以降の機能です。
Windows 10になって新しいバージョンが半年に1回リリースされ、サービスポリシーの変更、名称の変更、仕様の変更がたびたび行われると、「あの機能は結局どうなったのか」を追跡することが難しくなってきます。自らドキュメントやブログを探し出し、場合によっては試してみないと分からなかったりします。

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