日本HPの「HP ENVY All-in-One 27」は、27型タッチ対応4K液晶ディスプレーを備えたオールインワンPCだ。ダークアッシュとシルバーが基調の洗練されたデザインを採用しており、シンプルながら機能美の感じられる外観が特徴になっている。また、6コアのCore i7-8700Tや単体グラフィックスを搭載するなど、性能の高さも魅力のひとつ。今回、その実機を試すことができたので、実際の使い勝手やパフォーマンスなどを紹介していこう。
機能的で高級感あふれる筐体デザインを採用
HP ENVY All-in-One 27を箱から取り出して、まず目に留まるのが、その直線的で美しいデザイン。薄型テレビとサウンドバーを組み合わせたような外観で、パソコンというよりは高級AV機器のような佇まいがある。
本体カラーはHPがダークアッシュと名付けている黒に近い濃いグレーで、ベゼルやフロントスピーカーのブラックとスタンドのシルバーがアクセントとなってシルエットを引き締めている。付属のワイヤレスキーボードやマウスもダークアッシュとシルバーが基調で、全体的にシックで落ち着いた色合いが好印象だ。
液晶ディスプレーは27.0型で、解像度は4K-UHD(3840×2160ドット)。10点マルチタッチに対応しており、画面を直接指で触って操作することができる。ディスプレー上部にはIRカメラが搭載されており、Windows Helloの顔認証ログインが可能。また、このWebカメラは押し込むとポップアップする仕組みで、ビデオチャットなどをする際にワンステップ手間が増えるが、使用しないときは本体内に格納しておくことができ、ハッキングによる盗撮の可能性などを考えると安心感がある。
インターフェイス類はサウンドバーライクな台座部分にまとめられている。右側面には、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、SDカードスロット、USB3.1 Type-C Gen 2(Thunderbolt 3)、USB3.1 Gen 1(バッテリーチャージ機能対応)が、背面にはUSB3.1 Gen 1×4、HDMI出力、HDMI入力、外部入力切替ボタン、LAN、電源コネクター、セキュリティロックケーブル用ホールが搭載されている。
電源は本体内蔵ではなくACアダプターが付属するが、本体のスマートな外観に比べるとかなりゴツめ。使用環境によっては置き場所に少し困りそうだが、その分本体の発熱が減るため静音性は高く、GPUを酷使するような場面以外はファンの音もほとんど目立たなかった。
ゲーム機やレコーダーなどのディスプレーとしても使用可能
ディスプレーは4K-UHD(3840×2160ドット)のIPS液晶で、視野角が広く色再現性も高い。グレア(光沢)パネルのため映り込みはそれなりにあるが、その分、黒の締まりがよく鮮やかでメリハリの効いた映像を楽しむことができる。
サウンドシステムは、北欧の老舗高級オーディオメーカー、Bang & Olufsenによるもので、台座部分に4基のフロントスピーカーが搭載されている。そのためか低域から高音域までバランスがよく聞こえ、音場に奥行きも感じられる。一般的なPCの内蔵スピーカーとは比較にならないほど、艶があって臨場感のあるサウンドだ。
ちなみに、スピーカーの音量は台座天面にあるリング状のくぼみ「オーディオダイヤル」で調節可能。くぼみを指でくるくるなぞることで、音量を上げたり下げたりできる。実際に試してみたが、直感的で微調節もしやすく感じた。
「この高品位なディスプレーとスピーカーをPC以外の機器でも利用したい!」というニーズは少なくないだろう。そこで本製品には、本体背面にHDMI入力端子が1基用意されている。PS4などのゲーム機やレコーダーなどのAV機器をこの端子につなげば、本機を単体ディスプレーのように使用することが可能だ。
PC画面とHDMI機器の画面は、背面にある切替ボタンを押すことで切り替えることができる。PCの電源がオフのときでも、切替ボタンを押すとHDMI機器の画面を表示することが可能(もちろん音声も本機の内蔵スピーカーから出力される)。ボタンが本体背面にあるため少し押しづらいのが難点だが、PC側の電源が入っている場合は、キーボードのCtrl+Shift+S+Dキーを押すことで入力ソースを切り替えられるので、実用上は問題ないだろう。
なお日本HPの製品ページからスペック詳細をダウンロードして確認すると、本製品のHDMI端子でサポートされる解像度は最大1920×1080ドットまでと記載されているが、実際は4Kにも対応しているようだ。Apple TV 4Kで試してみたが、本機のディスプレーで4Kコンテンツを問題なく表示することができた。また、本機のPC画面を外部ディスプレーに4K解像度で出力することも可能だった。すでに4K対応のゲーム機やセットトップボックスなどを持っている人や、デュアルディスプレー環境を構築したい人にとっては非常に魅力的な仕様と言えそうだ。
6コアCPUと単体グラフィックスを搭載
今回試したHP ENVY All-in-One 27には、CPUとして6コア12スレッドのインテルCore i7-8700Tプロセッサー(2.4GHz/最大4.0GHz)が、GPUとしてNVIDIA GeForce GTX 1050が搭載されていた。また、16GBのDDR4 2400メモリと、256GBのPCIe NVMe M.2対応SSD、2TBのSATA HDD(5400回転)が採用されていた。
省電力タイプのデスクトップ向けCPUであるTシリーズと、エントリー向け単体GPUを搭載しているが、パフォーマンスはどのくらいあるのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツールを実行したところ、プロセッサとメモリが9.2、プライマリハードディスク(PCIe NVMe M.2対応SSD)が9.1という非常に高い結果になった。グラフィックスも8という数値で、基本性能がかなり高いことがわかる。
CINEBENCH R15では、CPUのマルチコアが1054cb、シングルコアが1734cbという結果。通常版のCore i7-8700と比べると若干数値は劣るものの、映像編集などのクリエイティブ用途にも十分対応できる性能だ。
続いてCrystalDiskMarkでSSDの性能をチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが3500MB/秒前後になった。NVMe SSDだけあって非常に高速。セカンダリディスクのHDDの方はシーケンシャルリードが125~130MB/s程度となった。5400回転の3.5インチHDDとしては平均的な性能だ。
次にパソコンの総合的な性能をチェックするためPCMark 8を実行したところ、スコアが3844となった。また、PCMARK 10では4656になった。
PCMARK 10のスコアの詳細をみると、基本性能を示すEssentialsが8910、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが6932と高い数値になっており、普段使いには十分すぎる性能を持っていることがわかる。
グラフィックスはゲーム向けの単体GPUとしてはエントリークラスに位置するが、CPU内蔵GPUに比べるとパフォーマンスはかなりよいはず。そこで、3DMARKでチェックしてみたところ、ゲーミングPC向けのテスト「Fire Strike」で5643、ゲーミングノート向けの「Sky Diver」で18170、ミドルレンジパソコン向けの「Cloud Gate」で22470と、CPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 630の4倍くらいのスコアになった。
ゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。
同様に「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク」も試してみた。
結果を見てわかるように、標準品質なら4K解像度でも快適にプレイできることがわかった。
4Kコンテンツを存分に楽しめる高性能なPC
高品位な4KディスプレーとBang & Olufsenのクアッドスピーカーを搭載したオールインワンPC、HP ENVY All-in-One 27。スマートな外観から想像するよりもずっと高性能&多機能で、これ1台あれば4Kコンテンツを存分に楽しめる環境が整うのが大きな魅力だ。
日本HPの直販サイトでは、本稿執筆時点(2019年2月20日)で発売記念キャンペーンが実施されており、通常より5万1800円お得な19万6200円(税抜)で購入することが可能。洗練されたデザインの一体型PCを探している人や、そろそろ4K環境を整えたいと考えている人には、ぜひ注目してみてほしい製品だ。
機能的で高級感あふれる筐体デザインを採用
HP ENVY All-in-One 27を箱から取り出して、まず目に留まるのが、その直線的で美しいデザイン。薄型テレビとサウンドバーを組み合わせたような外観で、パソコンというよりは高級AV機器のような佇まいがある。
本体カラーはHPがダークアッシュと名付けている黒に近い濃いグレーで、ベゼルやフロントスピーカーのブラックとスタンドのシルバーがアクセントとなってシルエットを引き締めている。付属のワイヤレスキーボードやマウスもダークアッシュとシルバーが基調で、全体的にシックで落ち着いた色合いが好印象だ。
液晶ディスプレーは27.0型で、解像度は4K-UHD(3840×2160ドット)。10点マルチタッチに対応しており、画面を直接指で触って操作することができる。ディスプレー上部にはIRカメラが搭載されており、Windows Helloの顔認証ログインが可能。また、このWebカメラは押し込むとポップアップする仕組みで、ビデオチャットなどをする際にワンステップ手間が増えるが、使用しないときは本体内に格納しておくことができ、ハッキングによる盗撮の可能性などを考えると安心感がある。
インターフェイス類はサウンドバーライクな台座部分にまとめられている。右側面には、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、SDカードスロット、USB3.1 Type-C Gen 2(Thunderbolt 3)、USB3.1 Gen 1(バッテリーチャージ機能対応)が、背面にはUSB3.1 Gen 1×4、HDMI出力、HDMI入力、外部入力切替ボタン、LAN、電源コネクター、セキュリティロックケーブル用ホールが搭載されている。
電源は本体内蔵ではなくACアダプターが付属するが、本体のスマートな外観に比べるとかなりゴツめ。使用環境によっては置き場所に少し困りそうだが、その分本体の発熱が減るため静音性は高く、GPUを酷使するような場面以外はファンの音もほとんど目立たなかった。
ゲーム機やレコーダーなどのディスプレーとしても使用可能
ディスプレーは4K-UHD(3840×2160ドット)のIPS液晶で、視野角が広く色再現性も高い。グレア(光沢)パネルのため映り込みはそれなりにあるが、その分、黒の締まりがよく鮮やかでメリハリの効いた映像を楽しむことができる。
サウンドシステムは、北欧の老舗高級オーディオメーカー、Bang & Olufsenによるもので、台座部分に4基のフロントスピーカーが搭載されている。そのためか低域から高音域までバランスがよく聞こえ、音場に奥行きも感じられる。一般的なPCの内蔵スピーカーとは比較にならないほど、艶があって臨場感のあるサウンドだ。
ちなみに、スピーカーの音量は台座天面にあるリング状のくぼみ「オーディオダイヤル」で調節可能。くぼみを指でくるくるなぞることで、音量を上げたり下げたりできる。実際に試してみたが、直感的で微調節もしやすく感じた。
「この高品位なディスプレーとスピーカーをPC以外の機器でも利用したい!」というニーズは少なくないだろう。そこで本製品には、本体背面にHDMI入力端子が1基用意されている。PS4などのゲーム機やレコーダーなどのAV機器をこの端子につなげば、本機を単体ディスプレーのように使用することが可能だ。
PC画面とHDMI機器の画面は、背面にある切替ボタンを押すことで切り替えることができる。PCの電源がオフのときでも、切替ボタンを押すとHDMI機器の画面を表示することが可能(もちろん音声も本機の内蔵スピーカーから出力される)。ボタンが本体背面にあるため少し押しづらいのが難点だが、PC側の電源が入っている場合は、キーボードのCtrl+Shift+S+Dキーを押すことで入力ソースを切り替えられるので、実用上は問題ないだろう。
なお日本HPの製品ページからスペック詳細をダウンロードして確認すると、本製品のHDMI端子でサポートされる解像度は最大1920×1080ドットまでと記載されているが、実際は4Kにも対応しているようだ。Apple TV 4Kで試してみたが、本機のディスプレーで4Kコンテンツを問題なく表示することができた。また、本機のPC画面を外部ディスプレーに4K解像度で出力することも可能だった。すでに4K対応のゲーム機やセットトップボックスなどを持っている人や、デュアルディスプレー環境を構築したい人にとっては非常に魅力的な仕様と言えそうだ。
6コアCPUと単体グラフィックスを搭載
今回試したHP ENVY All-in-One 27には、CPUとして6コア12スレッドのインテルCore i7-8700Tプロセッサー(2.4GHz/最大4.0GHz)が、GPUとしてNVIDIA GeForce GTX 1050が搭載されていた。また、16GBのDDR4 2400メモリと、256GBのPCIe NVMe M.2対応SSD、2TBのSATA HDD(5400回転)が採用されていた。
省電力タイプのデスクトップ向けCPUであるTシリーズと、エントリー向け単体GPUを搭載しているが、パフォーマンスはどのくらいあるのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツールを実行したところ、プロセッサとメモリが9.2、プライマリハードディスク(PCIe NVMe M.2対応SSD)が9.1という非常に高い結果になった。グラフィックスも8という数値で、基本性能がかなり高いことがわかる。
CINEBENCH R15では、CPUのマルチコアが1054cb、シングルコアが1734cbという結果。通常版のCore i7-8700と比べると若干数値は劣るものの、映像編集などのクリエイティブ用途にも十分対応できる性能だ。
続いてCrystalDiskMarkでSSDの性能をチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが3500MB/秒前後になった。NVMe SSDだけあって非常に高速。セカンダリディスクのHDDの方はシーケンシャルリードが125~130MB/s程度となった。5400回転の3.5インチHDDとしては平均的な性能だ。
次にパソコンの総合的な性能をチェックするためPCMark 8を実行したところ、スコアが3844となった。また、PCMARK 10では4656になった。
PCMARK 10のスコアの詳細をみると、基本性能を示すEssentialsが8910、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが6932と高い数値になっており、普段使いには十分すぎる性能を持っていることがわかる。
グラフィックスはゲーム向けの単体GPUとしてはエントリークラスに位置するが、CPU内蔵GPUに比べるとパフォーマンスはかなりよいはず。そこで、3DMARKでチェックしてみたところ、ゲーミングPC向けのテスト「Fire Strike」で5643、ゲーミングノート向けの「Sky Diver」で18170、ミドルレンジパソコン向けの「Cloud Gate」で22470と、CPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 630の4倍くらいのスコアになった。
ゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。
同様に「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク」も試してみた。
結果を見てわかるように、標準品質なら4K解像度でも快適にプレイできることがわかった。
4Kコンテンツを存分に楽しめる高性能なPC
高品位な4KディスプレーとBang & Olufsenのクアッドスピーカーを搭載したオールインワンPC、HP ENVY All-in-One 27。スマートな外観から想像するよりもずっと高性能&多機能で、これ1台あれば4Kコンテンツを存分に楽しめる環境が整うのが大きな魅力だ。
日本HPの直販サイトでは、本稿執筆時点(2019年2月20日)で発売記念キャンペーンが実施されており、通常より5万1800円お得な19万6200円(税抜)で購入することが可能。洗練されたデザインの一体型PCを探している人や、そろそろ4K環境を整えたいと考えている人には、ぜひ注目してみてほしい製品だ。
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