ASUSは8月20日、11.6型でCeleron N4020を搭載し重量約1kgのモバイルノートPCを発表した。発表に先駆け実機を試す機会に恵まれたので、試用レポートをお届けしたい。
2020年版ネットブック!?
前モデルに相当する「E203MA」をたまたま2018年7月にレビューしているが、仕様的には、Celeron N4000/4GB/64GBの11.6型。これからもわかるように、いまとなってはWindowsを動かす最低ラインとなる。ただその分、軽くて安く、約1kgで税別36,800円だった。
対して今回ご紹介する「E210MA」は、メモリやストレージは変わらず、プロセッサがCeleron N4020へとパワーアップ。OSはHomeからSモードへ(Sモードを解除すればHomeと同じ)。デザインの変更などがおもな違いとなる。残念ながら重量が約1kg(実測で993g)から約1.08kg(実測で1,071g)と少し重くなってしまった。おもな仕様は以下のとおり。
プロセッサはGemini Lake RefreshのCeleron N4020。2コア2スレッドでクロックは1.1GHzから最大2.8GHz。キャッシュは4MB、TDPは6W。省電力だがパワーはそれなり……と、一昔前のAtom的なSKUとなる。本機ではファンレス作動だ。前モデルに搭載していたCeleron N4000は2C/2Tは同じだが、クロックは1.1GHzから最大2.6GHzと、最大クロックが200MHz低かった。
メモリはDDR4-2400の4GB、ストレージはeMMC 64GB。OSは64bit版Windows 10 Sモード。このSモードはストアアプリのみインストール可能でセキュアだが汎用性が下がるという弱点もある。解除して普通のWindows 10 Homeにできるものの、不可逆なので、一度解除するとSモードには戻れない。以降、編集部の指示によりSモードまま評価しているため、一部、いつもの内容と異なる。予めご了承いただきたい。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 600。外部出力用にHDMIを備えている。最大解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。ディスプレイは非光沢の11.6型HD(1,366×768ドット)を搭載している。
ネットワークは、有線LANがなく、Wi-Fi 11ac対応、Bluetooth 4.1。その他のインターフェイスは、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0×1、USB 2.0×1、microSDカードスロット、30万画素Webカメラ、音声入出力。Type-Cは映像出力と本機への給電には非対応。このあたりは前モデルとほぼ同じだが、USB 3.0の1つが2.0へと変更されている。
サイズ約279.1×191.2×16.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.08kg。先に書いたように重量が1kgを超えてしまったのは残念。
カラーバリエーションは、ドリーミーホワイト、ピーコックブルー、ローズゴールドの3色。2セルのバッテリを内蔵し最大駆動時間は約12.7時間。税別価格は33,455円。前モデルより3,345円安くなっており、税込みでも約3.6万円と購入しやすくなった。内容を考慮すると妥当なところだろう。
手元に届いたのはドリーミーホワイト。写真からもわかるように、天板、周囲、裏がホワイト、フチがブラック、パームレストなどはシルバー。天板は写真からは少しわかりにくいかもしれないが、ブランド品っぽい雰囲気で、ASUSのロゴをモチーフにした模様が描かれている。総じて前モデルより安価なモデルという雰囲気が低減されている。
重量約1kg、厚み16.9mmということもあり、片手で楽々持ち上がる。これなら鞄に入れて持ち歩いても苦にならないだろう。
前面はパネル中央上にWebカメラ。フチは昨今のノートPCと比較すると太めだ。左側面に電源入力、microSDカードスロット、USB 3.0 Type-C、HDMI、USB 3.0、ステータスLED。右側面にUSB 2.0、音声入出力を配置。裏は、4隅にゴム足。手前左右にスピーカー。
付属のACアダプタはサイズ約48×48×28mm(幅×奥行き×高さ)、重量115g、出力19V/1.75A。先に書いたようにType-CはDP Alt ModeおよびPDには非対応だ。前者はともかく、後者はこの時期のモデルなら対応してほしかったところか。
11.6型のディスプレイは、非光沢で眼に優しく、明るさ、コントラスト、発色、視野角、すべて価格を考えれば良好だ。安価なモデルだからパネルの色が気になって……ということはない。パネルは180度傾けることができる。
キーボードは、86キー日本語キーボードでアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは実測で約18mm。手前など少し狭くなっているものの、全体的にいびつな並びなどはない。[Enter]キーの周囲だけ黄色いのはデザイン的なものだろうか。個人的にはなくてもいいと思う。打鍵感は、このクラス固有の感じだがたわむこともなく良好だ。
タッチパッドは1枚プレート式。11.6型のフットプリントの割には、パームレストも含め広めで良好に操作できる。またテンキー替わりのNumberPadにもなる。ハイエンドではLEDが仕込まれており、NumberPadを光らせて表示しているが、本機ではタッチパッド上にそのままプリントされているため、使わない人にとっては少し目障りとなるかもしれない。
また右上のオン/オフのエリアを気持ち長押しすると状態がトグルするのだが、普通に操作していても、なんらかの拍子にNumberPadになってしまい、タッチパッドを操作しているつもりが「あれ!?」となることもしばしば。本気で数値入力したい人が、物理キーでもなく、振動的なフィードバックもないこれを使うとは考えにくく、(ハイエンドも含め前からなのだが)個人的には不要ではと思ってしまった。
ファンレスなので振動やノイズは皆無。発熱もCINEBENCH R20など負荷をかけてもキーボード上のスペースはほんのり暖かくなるだけで全く問題ない。
サウンドは、スピーカーが裏にあるため、机などに反射して、間接音が耳に届くことになる。バッテリベンチマークテストでVLCを使い音楽動画を連続再生していたが50%でもそれなりの音量、最大だと煩いほどだ。高音質ではないものの、本機だけで映像も音楽も十分楽しめる。
性能はそれなりだが、Wi-Fi経由のフルHD動画連続再生でバッテリ駆動9時間
初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。ASUSグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプル。
Gemini LakeなCeleron、メモリ4GB、eMMC 64GBと言う構成だが、使えないほど遅いわけでもなく、EdgeやWPS Officeなどは普通に扱うことができる。エントリーモデルとしては十分な性能だろう。余談になるが旧EdgeはSモードのまま新Edgeに更新可能だった。
ストレージはeMMC 64GBの「SanDisk DA4064」。C:ドライブのみの1パーティションで約56.95GBが割り当てられ空き32.9GB。Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。
おもなプリインストールソフトウェアは、「AudioWizard」、「McAfee Personal Security」、「MyASUS」、「Realtek Audio Console」、「WPS Office」など。ストレージが64GBということもあり少なめだ。なお、MyASUSには、画面発色用のSplendidや動画コンテンツを最適化するTru2Lifeなどが組み込まれている。
ベンチマークテストは、Windows 10 Sモードでいつも使っているアプリが動かないため、Google Octane 2.0(新Edge)と、ストアからインストール可能な、CINEBENCH R20、CrystalDiskMarkを使用した。バッテリベンチマークは、VLCを使いWi-Fi経由でフルHD動画の連続再生を実行している。
もともとGemini LakeなCeleronなのでパフォーマンスは期待できないが、Google Octane 2.0のスコアは16,187。筆者の合格ライン1万を超えているので、Webに関しては普通に使える。CINEBENCH R20は低いスコアだが、実際WPS Officeなど、一般的なアプリを操作する分にはそこそこ動く。CrystalDiskMarkはeMMCなのでこの程度だろう。総じてハイパフォーマンスではないが、軽い用途ではあれば問題なく動く。
バッテリ駆動時間は約9時間(明るさ/音量50%、バッテリモードなどはシステム標準)。予想より短めだったので2回測定したものの同じだった。仕様上は約12.7時間だが、Wi-Fi経由のフルHD動画連続再生となると、それなりに負荷がかかるため少し短い結果となっている。
以上のようにASUS「E210MA」は、11.6型非光沢HDパネル、Celeron N4020、メモリ4GB、ストレージeMMC 64GBを搭載したエントリーモデルのモバイルノートPCだ。ハイパワーではないものの、重量約1kg、バッテリ駆動最大約12.7時間と持ち歩きに適している。ファンレスなので故障率も低いだろう。
低価格ながら(価格の範囲内で)、筐体、パネル、キーボード、サウンドなどもしっかりしており、仕様的に気になる部分もない。ライトな用途で、軽くて薄くて省エネで安価なノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい1台だ。
2020年版ネットブック!?
前モデルに相当する「E203MA」をたまたま2018年7月にレビューしているが、仕様的には、Celeron N4000/4GB/64GBの11.6型。これからもわかるように、いまとなってはWindowsを動かす最低ラインとなる。ただその分、軽くて安く、約1kgで税別36,800円だった。
対して今回ご紹介する「E210MA」は、メモリやストレージは変わらず、プロセッサがCeleron N4020へとパワーアップ。OSはHomeからSモードへ(Sモードを解除すればHomeと同じ)。デザインの変更などがおもな違いとなる。残念ながら重量が約1kg(実測で993g)から約1.08kg(実測で1,071g)と少し重くなってしまった。おもな仕様は以下のとおり。
プロセッサはGemini Lake RefreshのCeleron N4020。2コア2スレッドでクロックは1.1GHzから最大2.8GHz。キャッシュは4MB、TDPは6W。省電力だがパワーはそれなり……と、一昔前のAtom的なSKUとなる。本機ではファンレス作動だ。前モデルに搭載していたCeleron N4000は2C/2Tは同じだが、クロックは1.1GHzから最大2.6GHzと、最大クロックが200MHz低かった。
メモリはDDR4-2400の4GB、ストレージはeMMC 64GB。OSは64bit版Windows 10 Sモード。このSモードはストアアプリのみインストール可能でセキュアだが汎用性が下がるという弱点もある。解除して普通のWindows 10 Homeにできるものの、不可逆なので、一度解除するとSモードには戻れない。以降、編集部の指示によりSモードまま評価しているため、一部、いつもの内容と異なる。予めご了承いただきたい。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 600。外部出力用にHDMIを備えている。最大解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。ディスプレイは非光沢の11.6型HD(1,366×768ドット)を搭載している。
ネットワークは、有線LANがなく、Wi-Fi 11ac対応、Bluetooth 4.1。その他のインターフェイスは、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0×1、USB 2.0×1、microSDカードスロット、30万画素Webカメラ、音声入出力。Type-Cは映像出力と本機への給電には非対応。このあたりは前モデルとほぼ同じだが、USB 3.0の1つが2.0へと変更されている。
サイズ約279.1×191.2×16.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.08kg。先に書いたように重量が1kgを超えてしまったのは残念。
カラーバリエーションは、ドリーミーホワイト、ピーコックブルー、ローズゴールドの3色。2セルのバッテリを内蔵し最大駆動時間は約12.7時間。税別価格は33,455円。前モデルより3,345円安くなっており、税込みでも約3.6万円と購入しやすくなった。内容を考慮すると妥当なところだろう。
手元に届いたのはドリーミーホワイト。写真からもわかるように、天板、周囲、裏がホワイト、フチがブラック、パームレストなどはシルバー。天板は写真からは少しわかりにくいかもしれないが、ブランド品っぽい雰囲気で、ASUSのロゴをモチーフにした模様が描かれている。総じて前モデルより安価なモデルという雰囲気が低減されている。
重量約1kg、厚み16.9mmということもあり、片手で楽々持ち上がる。これなら鞄に入れて持ち歩いても苦にならないだろう。
前面はパネル中央上にWebカメラ。フチは昨今のノートPCと比較すると太めだ。左側面に電源入力、microSDカードスロット、USB 3.0 Type-C、HDMI、USB 3.0、ステータスLED。右側面にUSB 2.0、音声入出力を配置。裏は、4隅にゴム足。手前左右にスピーカー。
付属のACアダプタはサイズ約48×48×28mm(幅×奥行き×高さ)、重量115g、出力19V/1.75A。先に書いたようにType-CはDP Alt ModeおよびPDには非対応だ。前者はともかく、後者はこの時期のモデルなら対応してほしかったところか。
11.6型のディスプレイは、非光沢で眼に優しく、明るさ、コントラスト、発色、視野角、すべて価格を考えれば良好だ。安価なモデルだからパネルの色が気になって……ということはない。パネルは180度傾けることができる。
キーボードは、86キー日本語キーボードでアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは実測で約18mm。手前など少し狭くなっているものの、全体的にいびつな並びなどはない。[Enter]キーの周囲だけ黄色いのはデザイン的なものだろうか。個人的にはなくてもいいと思う。打鍵感は、このクラス固有の感じだがたわむこともなく良好だ。
タッチパッドは1枚プレート式。11.6型のフットプリントの割には、パームレストも含め広めで良好に操作できる。またテンキー替わりのNumberPadにもなる。ハイエンドではLEDが仕込まれており、NumberPadを光らせて表示しているが、本機ではタッチパッド上にそのままプリントされているため、使わない人にとっては少し目障りとなるかもしれない。
また右上のオン/オフのエリアを気持ち長押しすると状態がトグルするのだが、普通に操作していても、なんらかの拍子にNumberPadになってしまい、タッチパッドを操作しているつもりが「あれ!?」となることもしばしば。本気で数値入力したい人が、物理キーでもなく、振動的なフィードバックもないこれを使うとは考えにくく、(ハイエンドも含め前からなのだが)個人的には不要ではと思ってしまった。
ファンレスなので振動やノイズは皆無。発熱もCINEBENCH R20など負荷をかけてもキーボード上のスペースはほんのり暖かくなるだけで全く問題ない。
サウンドは、スピーカーが裏にあるため、机などに反射して、間接音が耳に届くことになる。バッテリベンチマークテストでVLCを使い音楽動画を連続再生していたが50%でもそれなりの音量、最大だと煩いほどだ。高音質ではないものの、本機だけで映像も音楽も十分楽しめる。
性能はそれなりだが、Wi-Fi経由のフルHD動画連続再生でバッテリ駆動9時間
初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。ASUSグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプル。
Gemini LakeなCeleron、メモリ4GB、eMMC 64GBと言う構成だが、使えないほど遅いわけでもなく、EdgeやWPS Officeなどは普通に扱うことができる。エントリーモデルとしては十分な性能だろう。余談になるが旧EdgeはSモードのまま新Edgeに更新可能だった。
ストレージはeMMC 64GBの「SanDisk DA4064」。C:ドライブのみの1パーティションで約56.95GBが割り当てられ空き32.9GB。Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。
おもなプリインストールソフトウェアは、「AudioWizard」、「McAfee Personal Security」、「MyASUS」、「Realtek Audio Console」、「WPS Office」など。ストレージが64GBということもあり少なめだ。なお、MyASUSには、画面発色用のSplendidや動画コンテンツを最適化するTru2Lifeなどが組み込まれている。
ベンチマークテストは、Windows 10 Sモードでいつも使っているアプリが動かないため、Google Octane 2.0(新Edge)と、ストアからインストール可能な、CINEBENCH R20、CrystalDiskMarkを使用した。バッテリベンチマークは、VLCを使いWi-Fi経由でフルHD動画の連続再生を実行している。
もともとGemini LakeなCeleronなのでパフォーマンスは期待できないが、Google Octane 2.0のスコアは16,187。筆者の合格ライン1万を超えているので、Webに関しては普通に使える。CINEBENCH R20は低いスコアだが、実際WPS Officeなど、一般的なアプリを操作する分にはそこそこ動く。CrystalDiskMarkはeMMCなのでこの程度だろう。総じてハイパフォーマンスではないが、軽い用途ではあれば問題なく動く。
バッテリ駆動時間は約9時間(明るさ/音量50%、バッテリモードなどはシステム標準)。予想より短めだったので2回測定したものの同じだった。仕様上は約12.7時間だが、Wi-Fi経由のフルHD動画連続再生となると、それなりに負荷がかかるため少し短い結果となっている。
以上のようにASUS「E210MA」は、11.6型非光沢HDパネル、Celeron N4020、メモリ4GB、ストレージeMMC 64GBを搭載したエントリーモデルのモバイルノートPCだ。ハイパワーではないものの、重量約1kg、バッテリ駆動最大約12.7時間と持ち歩きに適している。ファンレスなので故障率も低いだろう。
低価格ながら(価格の範囲内で)、筐体、パネル、キーボード、サウンドなどもしっかりしており、仕様的に気になる部分もない。ライトな用途で、軽くて薄くて省エネで安価なノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい1台だ。
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