レノボ・ジャパン株式会社は、世界初となる折りたたみ有機ELディスプレイ搭載デバイス「ThinkPad X1 Fold」を10月13日に発売する。税別直販価格は363,000円より。
2つ折りにできる、2,048×1,536ドット(WXGA)表示に対応した13.3型有機ELディスプレイ(LG製)を搭載。これまで折りたためる有機ELを搭載したスマートフォンは存在したが、Windowsを搭載したパソコンとしては初となる。
折りたたんだ状態では本体サイズが約158.2×236×27.8mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトになり、女性用の小さいかばんにも入れやすい。本体はカーボンファイバーで強度を高め、外装に革製カバーをあしらうことで、手帳のように持ち運べることをウリとしている。
一方で広げて平らにすれば、大型タブレットとして使える。画面のアスペクト比は4:3となっており、解像度が高いためオフィスソフトとの相性がよい。さらに付属のキーボードを載せて折り曲げて使うことで、ノートパソコンのように扱える。
なお、キーボードを載せれば自動的に画面の半分が消え、開いているウィンドウ類が残りの半分に移動するギミックも備えている。これにより消費電力も抑えられる。また、キーボードを画面の間に挟んだまま持ち歩けるが、本体のバッテリが50%以上の状態では、無接点充電によりキーボードへの充電も行なわれる。
ディスプレイの折りたたみ機構には、ディスプレイを製造するLGと共同で取り組み、構想から実現まで5年を要したという。6種類のヒンジ設計と20を超えるバリエーションを検討し、3万回の開閉耐久性を謳う独自のマルチリンク・トルク・ヒンジ・メカニズムを開発。また、日本製のピッチ系カーボンによるフルフラットな補強板を利用しているほか、三軸織物からヒントを得た折り曲げ部により、開いたさいにディスプレイが平らになるような機構とした。
採用されているLakefieldプロセッサは、CPUの上にメモリがスタックされているため、小型筐体では放熱が問題になるが、本機はサンドイッチ構造のヒートシンクで表裏から冷やすことで問題を解決。そのさいに厚みが増えてしまう問題に関しては、日本の寄木細工からヒントを得た構造で薄型化を実現した。
このほか、カーボンシートで熱が集中しないように筐体全体に広げる仕組みや、折り曲げたさいに左右の重量バランスが均一になるような仕組み、レールとバネにより、閉じたさいに革製カバーがスライドするギミックなどが盛り込まれている。
アクティブペンも付属しており、メモ書きや契約書のサインなどが行なえる。なお、海外ではキーボード/ペンなしモデルも用意されるが、日本国内においてはフルセットのみの提供となる。また、発売時点ではWi-Fiモデルのみが投入されるが、後日5Gモデム搭載モデルも発売する見込みで、これはThinkPad初の5G対応モデルとなる。
そのほかのおもな仕様は、プロセッサがLakefield(Inte Core Processor with Intel Hybrid Technology)、メモリが8GB、ストレージが512GB SSD、OSがWindows 10。
インターフェイスはUSB 3.0 Type-C×2、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、IRカメラ、500万画素Webカメラ。バッテリ駆動時間は約11.7時間。本体サイズはランドスケープモード時(広げた状態)が299.4×236×11.5mm(同)、重量は約973g。ミニキーボードは約173gとなる。
コメント
コメントを投稿